貯留浸透施設はどのように決めるのですか?
雨水処理量 ≧ 雨水流出量 - 許容放流量
貯留浸透施設で処理できる雨水量が上記の関係になる必要があります。上式の左辺は、貯留浸透施設で処理できる雨水の量、右辺は処理しなければならない雨水の量になります。必要な雨水処理量を確保できるように、現場の状況(施設を設置できる場所、地下水位、地盤等)を考慮して貯留浸透施設の規模を決めます。
雨水処理量 = 総浸透量 + 総貯留量
総浸透量 = 各施設(桝やパイプ)の浸透量の合計値
総貯留量 = 各施設(桝やパイプ)の貯留量の合計値
雨水流出量
地上に降った雨の全部が開発地区の下流に流れ込むものではなく、木や石、コンクリート等にしみ込んだり、蒸発して、降った雨の何割かが下流に流れ込むことになります。
この下流に流れ込む雨水の量を雨水流出量といいます。雨水の流出量は、降雨強度、排水面積、地質、地表面の状態によって大きく左右されます。雨水流出量の算定には、降雨強度、流出係数などが必要になります。また、自治体により、雨水流出量が定められている場合もありますので確認が必要です。
降雨強度
年間における雨水量ではなく、一定時間に降る雨量(降雨の強度)となり、50mm/hrのように表現されることが多く各自治体により計算式や数値が定められていることがありますので確認が必要です。
流出係数
降った雨は、一部は蒸発し、一部は浸透したり、しみ込んだりして、残余が表面を流れ下流へ流れ込みます。この、下流へ流れ込む雨水量の降雨に対する割合を、流出係数または流下係数といい、各自治体により係数が定められていることがありますので確認が必要です。
許容放流量
許容放流量は、降雨時に開発地区の下流に放流を許容された最大流量のことです。許容放流量は、自治体などにより開発地区ごとに定められていることが多いので、確認が必要です。
例として
降雨強度 50mm/hr(0.05m/hr)
屋根面積 100m2
流出係数 0.95
許容放流量 0(100%処理)
とした場合の雨水流出量(Q)は
Q = 0.95×0.05×100 = 4.75m3/hr
となります。
実際には、屋根、緑地、駐車場等ありますので、各種別毎の雨水流出量を合計することになります。